町工場お役立ちブログ
製造業でも在宅ワークできるって本当? ~どんな業務をどう在宅化する?~
新型コロナウイルスの影響によって、私たちの働き方が大きく変わりました。その中で一番大きな変化が、在宅ワークの普及ではないでしょうか。
しかしながら製造業で働く私たちは工場で機械を動かさないと仕事ができません。また少人数の規模である場合が多く、社員数も限られています。
本記事では、そのような町工場で働く私たちが在宅ワークを行う場合、どの仕事が在宅でもできるのか、どのような在宅ワークの方法があるのをご紹介します。
町工場で行う仕事を確認してみよう!
まずは一般的な町工場ではどんな業務があるのか大きく分けてみたいと思います。
- 見積
- 受注
- 生産
- 検査
- 出荷
- 請求
業種によって少しずつ違いはあると思いますが、大きく分けて上記のような業務で成り立っているのではないでしょうか。
この他に機械を製造するようなメーカーだと、設計業務や組立業務、電気配線、試運転、立ち会いなどもあるかと思います。
在宅ワークにできそうな業務内容は?
製造業だと在宅ワークを取り入れるのは困難というイメージはあるかもしれません。だけど仕事の内容を細かく分解していくと在宅ワーク化できる部分も数多くあるのではないかと思います。
では先ほど大きく分けた業務の中から、在宅ワークの可能性がありそうなものをピックアップしました。
- 見積
- 受注
- 生産
- 検査
- 出荷
- 請求
あれ? 全部でした(笑)
一部業種や条件はあるものの、すべての業務で在宅ワークにできそうです。
もう少し具体的に、どのようにして在宅で仕事ができるか見てみましょう。
製造業の仕事、在宅ワーク化のシミュレーション!
① 見積
まずは見積です。
見積はお客様から図面やCADデータ、写真、現物などをいただき、それを製作するのに費用がいくらかかるのか? という事を算出する業務です。
ここでは、お客様よりデータをもらって見積を行うことを想定して話を進めていきます。見積を在宅ワークにする場合は、次のような事が考えられます。
- FAXやメールを在宅で受取り、共有データとして保管する
- 見積管理リストを作成する
- データを用いて見積を行う
- 見積はPDFなどを利用して、データ上に直接書込む
- 紙で計算したものでも、スマホでスキャンするなどして共有データ化する
- 見積書を作成する
実際に上記のような業務が在宅でできそうです。
この業務で在宅化できる職種は、事務職、営業職が当てはまるかと思います。
② 受注
お客様から「注文するよ」という意思表示を頂いたら、その注文を「受注」として処理する必要があります。受注に関しては注文書の処理や、製作をするべき図面などの処理、発注の処理などがあげられます。どんな町工場でも受注処理は必ず行っているのではないでしょうか。
ここでいう受注処理は、材料発注など実際に生産するまでにやらなければいけない事を指しています。
では、受注処理ではどのような部分が在宅化できるでしょうか
- FAXやメールなどで注文書や図面を受け取り、データベースまたはシステム※に登録する
- 材料を発注する
- 協力会社に発注依頼する
- 工程の検討や決定を行い、データベースまたはシステム※に登録する
- 受注データを元に加工順序や納期調整を行う
上記で使用するデータベースはExcelやAccessでも作成できますが、データを簡単に呼び出すことのできる生産管理システムも多く出ていますので、活用すると非常に便利です。(https://www.ipros.jp/)
③ 生産・検査・出荷
一見、生産に関してはあまり在宅化できる部分はなさそうに思われるかもしれません。ところが、よく考えてみると昔から在宅化されているのが生産なのです。そう、内職です!
もしかすると在宅ワークの起源と言ってもいいのでは…と勝手に思っています。細かい部品の組み立てなど内職は昔からある生産方法ですね。このほかに服飾の職人さんなんかも在宅が多いそうです。製品検査専門の内職という仕事もあります。
そして組み立てられた製品をそのまま検査して出荷するということも、モノによっては可能です。生産・検査・出荷の業務は、作業を細かく分解する事でその一部を在宅化するという事も可能になるのではないでしょうか。
④ 請求・経理
製作が終わり納品する際には納品書を発行したり、後から請求書を発行したりという業務があります。そのタイミングは会社によりまちまちだと思いますが、特に後から請求書を発行するといった場合にはこちらも在宅化ができそうです。
- 請求書の発行
- ネットバンキングを使って入金確認や支払い
- 経理上の記帳業務
請求業務や経理業務などでも在宅業務をすることは可能となりそうです。
他のスタッフとどう連携したらいい?
ここまでご説明したように、在宅ワークの可能性は、それぞれの業務を分解することで見えてくることも多く、できそうなこともたくさんありました。しかし、そこで課題や問題となってくるのは次のことです。
鍵となるのは「情報共有」
在宅ワークはそれぞれの担当者がそれぞれの自宅で仕事を行います。そこで、各自の仕事が「誰でも、どこからでも、いつでも、同じ状態で確認できる」必要があります。
そういった仕組みをつくるためには、クラウド化するというのが取り入れやすいかと思います。
インターネット上でできる仕事をピックアップして、その仕事をインターネットの中で実行できるように仕組み化してしまうというものです。クラウド化されたシステムはインターネット上で動作しているソフトです。従って登録された情報は誰がどこにいてもリアルタイムにその状況を確認する事ができるようになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
在宅化の重要なポイントとなるのは、情報の共有化。すなわちクラウドシステムではないかというお話でした。
世の中に在宅化の流れが急速に生まれてきて、製造業や町工場では「気にはなっているものの、何をどうすればいいのか分からない」という声を多く聞きます。そして「製造業ではそもそも在宅化なんてできるわけない」といった声も一部では聞かれます。
すぐにやるかどうかは別として、自社の業務を在宅化できる可能性はないのか?を考えてみるのも良いかもしれないですね。在宅ワークができる可能性がある事を知っているだけでもいざという時に迅速な対応が可能になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。この記事が少しでもご参考になれば幸いです。