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工作機械とは?加工方法や機械の種類を紹介!

公開日/更新日:2023.08.02

“工作機械”は金属加工の世界においては欠かせないものですが、日常生活で人の目に触れることがほとんど無いため、「詳しく説明できる!」という方は少ないでしょう。

しかし、身の回りにあるものでも工作機械からできているものは多く、いつも変わらない生活が送れるのは工作機械のおかげと言っても過言ではありません。

この記事では、そもそも工作機械とは何なのかを解説し、工作機械を用いた加工方法や代表的な機械の種類を紹介します。



工作機械とは

私たちの身の回りにある数々の製品は、いくつかの部品やパーツからできあがっています。この部品を作るために、金属を加工する機械のことを“工作機械”といいます。

ガラスやプラスチックなどを加工する機械もありますが、金属素材に穴を開けたり、削ったりする“除去加工”を行う機械のことを指すのが一般的です。

工作機械には、加工する際のミスや個々の違いが出ないようにしたり、品質を均一にしたりできる特徴があります。



工作機械でできる具体的な加工方法

工作機械を使うことで、様々な方法で金属を加工することができます。
ここでは、具体的に工作機械で行える加工方法を紹介します。

切削加工

切削加工とは、刃物を用いて素材を切ったり削ったりして加工する方法です。
切削加工には、

  • 素材を回転させて切削する
  • 工具を回転させて切削する
  • 素材もしくは工具の直線運動で切削する

と、大きく3種類の加工方法があります。
旋盤による旋削加工、フライスによるフライス加工、ボール盤による穴あけ加工などが切削加工の代表的な例です。

研削加工

切削加工を行った後に砥石や砥粒を用いて表面の凹凸をなくし、目的の形状、質感へと加工する方法を、研削加工といいます。
図工や美術の授業で行われるやすりがけがこれに近いイメージでしょう。
研削加工には、

  • 研削盤を用いた研削
  • ホーニング加工
  • ラップ加工

など、多岐にわたる方法があります。

特殊加工

刃物や砥石、砥粒を用いずに特殊なものを使って加工する方法を特殊加工といいます。
特殊加工は、切削加工や研削加工のような従来の加工方法では難しく加工できない製品や、より高い精度が求められる場合に用いる方法です。
例として、

  • 放電加工
  • レーザー加工
  • 超音波加工
  • プラズマ加工

などが挙げられます。



工作機械の種類


工作機械にはたくさんの種類があり、それぞれ得意とする加工が異なります。
代表的なものを見ていきましょう。

旋盤

旋盤は、切削加工を行う際に用いる工作機械で、素材を回転させながら、バイトと呼ばれる切削工具を用いて円盤または円筒状に金属を削ります。

  • 面削り
  • 外丸削り
  • 突切り
  • 中ぐり
  • 穴あけ

などが、旋盤を用いて行う加工の例です。

なお、旋盤にもいくつか種類があり、数値制御し加工するNC旋盤、CNC旋盤、手動で操作、加工する汎用旋盤があります。

フライス

正面フライスやエンドミルと呼ばれる工具を取り付けて回転させ、固定した素材を切削加工する工作機械をフライス盤といいます。
フライス盤を使うことで、平面や曲面、溝などの形状に加工することが可能です。

また、フライス盤は機械の主軸の向き・テーブルの移動する方向によって、縦型フライス盤・横型フライス盤に分けられます。
旋盤と同じように、数値制御し加工するNCフライス盤、CNCフライス盤や汎用フライスなどがあります。

研削盤

高速回転する砥石に素材を押し当て、少しずつ削り取りながら、研削加工を行う工作機械を研削盤といいます。加工精度が高く、仕上げで用いられることの多い機械です。

研削盤は、大きく“機械研削盤”と“自由研削盤”に分けられます。

機械検索盤

  • 円筒研削盤:円筒素材の外面を削る
  • 内面研削盤、平面研削盤:筒素材の内面を削る

自由研削盤

  • 卓上グラインダー:荒削り用・仕上げ用の2種類の砥石で製品を削る
  • ストレートグラインダー:ハンディサイズで小型のものの仕上げに用いる

マシニングセンタ

マシニングセンタは、数値制御によって加工するNC工作機械の1つです。
フライス盤を複合化することで、フライス加工、穴あけ、ねじ立て、中ぐり加工、リーマ加工などを1台で行えます。

自動で工具を持ち替える“自動工具交換装置(ATC)”もついているため、フライス盤と比べると生産性が大きく向上するのが特徴です。
近年では5軸制御マシニングセンタの普及が進み、さらに複雑な形状の加工ができるようになっています。

放電加工機

放電エネルギーによる熱で金属を溶かし、不要な部分を除く工作機械を放電加工機といいます。
放電加工機は、放電を行う電極の形状により、“形彫り放電加工機”と“ワイヤ放電加工機”に分けられます。

  • 形彫り放電加工機:素材に放電加工を行いながら材料を掘り進めて加工する
  • ワイヤ放電加工機:ワイヤ状の電極から素材に対して放電しながら材料を切り出す


おわりに

工作機械は多くの種類があり、それぞれに合った加工方法を用いることで、品質の向上や生産性の向上が見込めます。
また、これまで工作機械が進化してきたように、これからもどんどんと進化していくことが予想できます。
工作機械についての知識を身に付けながら、新しい情報も取り入れていきましょう。