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金属加工の材料は何を選ぶ?よく使われる種類と特徴を紹介!
金属製の新製品を製作するにあたって、「どんな材料を使えば良いのだろう…」と悩んでいませんか。
確かに、“金属製”と一いでいってもその種類は多く、どの材料が作り出す製品に適しているのか判断が難しいところですよね。
そこで、この記事では金属材料の種類や特徴を理解できるよう、代表的な材料の特性をまとめてみました。
金属加工の材料は大きく2種類に分かれる
金属加工で使う材料は、大きく「鉄鋼金属」と「非鉄金属」の2種類に分かれます。
鉄が主成分の金属を鉄鋼金属、鉄以外が主成分の金属を非鉄金属と呼ぶのです。
その2つの中でも細かく種類が分かれるので、詳しく見ていきましょう。
鉄鋼金属
鉄鋼金属とは、鉄や炭素を主成分とした合金のことです。
炭素鋼・特殊鋼(合金鋼)・鋳鉄に分けて解説します。
炭素鋼
炭素鋼は、鉄に2%未満の炭素を含んだ金属で、いわゆる“鋼”のことを指します。
鉄は純度が高いと加工が難しいため、炭素を含めて硬度が高くなった状態で加工されることが一般的です。
- コストが安い
- 加工がしやすい
- 熱処理によって材質が変化するため幅広い用途で使用される
- 炭素が多く含まれると引張強さや硬度が増し頑丈になる
- 炭素が多く含まれると伸びや絞りが少なくなり削りにくくなる
といった特徴があります。
また、含まれる炭素量によって以下のように種類が分かれます。
SPC材 (冷間圧延鋼板) |
SS材 (一般構造用圧延鋼材) |
SC材 (機械構造用炭素鋼鋼材) |
SK材 (炭素工具鋼鋼材) |
---|---|---|---|
炭素量:〜0.1% | 炭素量:0.1〜0.3% | 炭素量:0.1〜0.6% | 炭素量:0.6〜1.5% |
・比較的柔らかい ・加工しやすい ・板金のプレスや曲げで使われることが多い |
・「構造用」に使われる ・安価で汎用性が高いため、様々なところで使われている ・じん性が高い |
・「機械部品」用に使われる ・強度が高い ・焼入れしやすい |
・「工具」の素材として使われる ・硬さと耐摩耗性に優れている |
特殊鋼(合金鋼)
特殊鋼(合金鋼)とは、目的に合った特性を生み出すため、炭素鋼にさまざまな元素を加えた金属のことです。
よく利用される例を以下の表にまとめてみました。
種類 | 特徴 |
---|---|
マンガン、モリブデン | 強度・硬度を高める |
銅、チタン | 耐腐食性を出す |
ニッケル | 耐熱性を強化する |
クロム、バナジウム | 耐摩擦性を出す |
さまざまな特性を持った特殊鋼は、それぞれに合った用途で使用されます。
他にも以下のような種類の材料が存在します。
種類 | 特徴 |
---|---|
ステンレス鋼 | サビに強く、耐熱性や加工性も優れている |
耐熱鋼 | 酸化や腐食はほとんどしない |
超合金・超耐熱合金 | ステンレス鋼や耐熱鋼よりも耐熱性や耐酸化性に優れている |
バネ鋼 | しなやかさに優れている |
快削鋼 | 切削加工する際に利用されている |
鋳鉄
鋳鉄(ちゅうてつ)は、炭素が多く含まれており、融点が低いのが特徴です。
そのため、金属を液状にして流し込むことができ、鋳物加工の材料として使われています。
鋳鉄の組織の中にあるグラファイト(黒鉛)が晶出し、冷却速度や合金成分によって、強度が変化します。
一般的な鋳鉄は、伸びがないため硬くて脆いのですが、析出方法を変更すれば、強度や硬度、靱性、切削加工性を向上させることが可能です。
性質が向上した鋳鉄のことを「タグタイル鋳鉄」といい、マンホール・水道管や自動車部品に利用されています。
非鉄金属
非鉄金属とは、「鉄」や「鉄」を主成分とした合金以外のすべての金属を指します。
種類だけでなく特徴についても多種多様なので、材料の選択は非常に難しく、頭を悩ませることもあるでしょう。
ここでは、製品によく使われている3つの素材の特徴を紹介していきます。
銅
銅は10円玉にも使われているため、馴染み深い金属だといえるでしょう。
次のような特徴があります。
- 導電率が高い
- 熱伝導率が高い
- 加工性に優れている
- 熱に弱い
- 見た目がキレイに仕上がる
最大の特徴である導電率や熱伝導率の高さを活かして、多くの分野で使用されています。
アルミニウム
アルミニウムは、ボーキサイトという鉱石を溶融塩電解によって精製する素材です。
アルミニウムには、次のような特徴が挙げられます。
- 軽い
- 耐食性がある
- 加工しやすい
- 通電性がよい
- 熱伝導率が高い
- 磁気を帯びない
飲料缶やサッシなど幅広い製品に使われており、常日頃から親しんでいる金属です。
また、リサイクルが可能なので、環境に優しい金属ともいえるでしょう。
チタン
チタンは、鉄やアルミよりも軽量で強度があり錆びにくいので、最先端の実用金属といえるでしょう。
他の金属よりも高価ですが、優れた特徴から航空機や自動車エンジン、医療部品など幅広く使われています。
おわりに
今回は、「鉄鋼金属」と「非鉄金属」に分けて、金属加工で使用される材料のことを紹介しました。
金属にはさまざまな特性があります。
材料として選択する際は、それぞれの金属材料の特性などを理解しておくことが重要です。
今回の記事を参考にして、新製品に合う材料を選定いただければと思います。