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工場の暑さ対策は必要?何から始めるべき?

公開日/更新日:2024.06.18

年々、夏の暑さが厳しくなっているように感じる中、製造業で働く身として“工場の暑さ管理”が気になっているのではないでしょうか。
実際、夏場の工場内は気温が40度を超える場合もあり、熱中症で倒れるリスクなども考えると、個人だけでなく組織としても暑さ対策を進めることは必須になっていると言えるでしょう。 
そこで、この記事では、工場の暑さ対策を行うことの重要性を改めて解説し、具体的な対策方法を紹介します。



工場の暑さ対策を徹底すべき理由

工場の暑さ対策を行うべき理由は大きく分けて2つあるといえます。
まずはその理由から確認していきましょう。

従業員の安全を確保するため

暑さ対策を行うべき大きな理由としては「従業員の安全を確保する」ことが挙げられます。
工場内は機械が動いていることもあり熱が発生しやすく、かつ風通しがよくない場合も多いため、気温が上がりやすい環境です。
また、従業員目線で考えると、仕事中は長時間同じ場所にとどまる必要があったり、自由に水分補給を行う時間を取りにくかったりと、暑さの影響を受ける状況になりやすいといえるでしょう。
そのような状況でも従業員の安全を確保するためには、積極的に暑さ対策を行っていくべきなのです。

工場の生産性に直結するため

暑さ対策を行うことは、工場の生産性を維持することにも繋がります。
温度が高い中で作業を続けるのは、単純に従業員の疲れにつながるため、作業効率が悪くなります。
また、集中力が低下することで不具合が発生したり、最悪の場合、事故が起こってしまう可能性もあるでしょう。
そのような状態が続くと、工場の生産性が下がることは避けられません。
そのため、工場内の暑さ対策を徹底し、従業員が働きやすい環境を整えて生産性を意識していくことが大切なのです。



組織でできる暑さ対策

暑さ対策は、組織と個人、どちらの面からも行うことができます。
まずは組織としてできることから確認してみましょう。

工場の設備を整える

暑さ対策として、工場の設備を整えることは非常に効果があります。
その際、工場の広さなどの特徴や作業の特性を踏まえて、自社に合った設備を選ぶことが大切です。
以下、参考にしてみてください。

空調設備

空調設備は、最もわかりやすい暑さ対策の設備投資といえるでしょう。
なお、天井が高くて空間の広い工場では、空気全体を冷やすのにコストがかかるので、扇風機などの循環設備を併せて導入するのがおすすめです。
また、従業員が作業中に大きく移動しない工場では、スポットクーラーも高い効果があります。

断熱フィルム、断熱塗料

太陽光の熱は、工場内の気温を上昇させる大きな要因の1つです。
断熱フィルムや断熱塗料を使用することで、熱をカットできます。
特に、屋根が金属やトタンで出来ている建屋は太陽光の熱を吸収しやすいので、大きな効果が期待できるでしょう。

ミストファン

ミストファンは霧状の水を噴射し、その気化熱で周囲を冷ます仕組みで、空調設備に比べて低コストで導入できるというメリットがあります。
空調設備のように大量の電気を消費することもないので、ランニングコストも抑えられるでしょう。
ただし、どうしても水分が発生するため、機械の故障や材料・製品のサビには細心の注意を払わなければなりません。

従業員に暑さ対策グッズを支給する

工場の設備とは別に、従業員に暑さ対策のグッズを支給することも効果的です。比較的安価に揃えられるものも多いため、自社の環境に合ったものを選びましょう。
こちらも、以下を参考にしてみてください。

空調服

小型ファンを搭載した空調服を着ることで、体内に熱がこもりにくくなります。
空調服は、どんな環境でも着用できることが最大の利点です。
工場内の作業は長袖着用が必須の場合も多いかと思いますが、そのような時でも空調服があれば、高い効果を発揮するでしょう。

冷感シート、冷感スプレー

冷感シートや冷感スプレーは、手軽に使えて即効性のあるアイテムとして重宝します。
手首や首、ひじの内側など、血管が皮膚に近いところを通っている部位を冷やすとより効率的にクールダウンできるでしょう。
実際に熱中症になってしまった時の応急処置や、汗を拭き取って不快感を軽減するなど、幅広い用途で使用可能なのも利点です。



個人でできる暑さ対策

組織でできる対策に続いて、個人でできる暑さ対策についても紹介します。
あなた自身が気をつけるのはもちろん、ぜひ従業員の方にも伝えてあげてください。

こまめに水分補給を行う

個人の暑さ対策では、まず何よりも「水分補給の徹底」が大切です。
従業員が作業中に水を飲める時間があるか、近くに水分を常備できるか、といった環境面を整えるところから始めましょう。
また、水分だけでなく、塩分も一緒に取れるようにしておくと、より効果的です。
スポーツドリンクや経口補水液、塩分タブレットなど、様々なタイプを選べるようにしておくと良いでしょう。

熱中症の症状を共有しておく

実は「熱中症の症状を共有しておくこと」も、立派な暑さ対策になります。
熱中症の症状は「少し体が熱いだけ」「少し立ちくらみしただけ」と、特に意識することなく見落としてしまうことがよくあります。
そのため、どのような症状が熱中症につながるのかを理解しておけば、早い段階で対策することができるのです。
さらに、可能であれば応急処置の方法まで共有しておけば、実際に熱中症患者が発生した場合も、被害を最小限に抑えられるでしょう。



おわりに

「これぐらいの暑さなら少し我慢すれば良いだろう」と思っていても、暑さは気づかないうちに人の体を蝕みます。
また、従業員の体調面だけでなく、工場の生産性なども考慮に入れると、企業として決して手を抜けない要素だと言えるでしょう。
今回紹介した内容を参考にしていただき、早め早めに工場の暑さ対策を進めていってください。