町工場お役立ちブログ

DXFとは?今さら聞けない基礎知識を徹底解説!

公開日/更新日:2023.11.08


製造業の会社で働いていると、"DXF"と言う単語をよく耳にしますよね。
しかし、世間一般的にはあまり知られていない言葉のため、初めて聞くと何のことなのか分からないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、DXFに関する基本的な内容を解説したうえで、ファイルを開く際のツールなどを紹介します。



DXFとは

まずは、DXFの基本的な情報について解説します。

CADデータの1つ

DXFとはCADデータの1つで、ファイル形式のことを表します。
CADデータはDXF以外にも様々な種類のものがありますが、DXFファイルは拡張子が“.dxf”になっているため、すぐに見分けがつくでしょう。
AutoDesk社が開発した「AutoCAD」で図面データを作成すると、DXF形式のファイルを生成することができます。

DWGとはどう違う?

DXFとは別で、“DWG”という言葉を聞くことがあるかもしれません。
DWGもDXFと同じようなCADデータで、AutoCADの標準のファイル形式です。

しかし、AutoCADは複数のバージョンがあり、バージョンが新しくなると古いバージョンで作ったDWGファイルが開けなくなるという欠点があります。
そのため、同じAutoCADを使っていても、取引先が異なるバージョンを使っている場合などは、データのやりとりを行ってもファイルが開けないことがあるのです。



DXFファイルのメリット・デメリット

DXFファイルのメリット・デメリットを詳しく紹介します。

メリット:互換性が高い

DXFファイルを使う最も大きなメリットは、“ファイルの互換性が高い”という点です。
先ほどDWGの紹介を行った際に「バージョンが異なると開けない」と説明しました。
しかし、DXFは互換性が高いため、異なるバージョンだけでなく、そもそも異なるツールでも開けるものが多いのです。
そのため、ユーザー側からすると、DXFファイルでやりとりを行っておけば、ファイルを開くために様々なソフトを購入したり、変換したりといった手間を省くことができます。

デメリット:ツールによって文字化けやずれが生じる場合がある

先ほどのメリットと反する部分にはなりますが、DXFファイルは開くツールが異なると、文字化けやずれが生じる場合があります。
これは、DXFファイルが「Autodesk社のAutoCAD間でやり取りするために開発されたものである」という前提のために起こる現象です。
つまり、DXFファイルはAutoCAD以外のツールで開かれることが保証されているわけではないのです。
その互換性の高さから実際には他のツールでも開けるというメリットはあるものの、正式な動作ではないため、ツールによってはどうしても不具合が生じてしまいます。
「DXFファイルはよく文字化けする」などと言われるのもそのためです。



DXFファイルを開くためのソフトを紹介

DXFファイルを開くためには、対応したソフトを使用する必要があります。
最後に3種類のソフトを紹介します。

AutoCAD

冒頭から紹介しているように、AutoCADはDXFファイルを開発したAutodesk社製のCADソフトです。
開発元の企業が制作しているだけあって、DXFファイルへの対応度も高く、快適に使うことができるでしょう。
また、3D作図や3Dモデリングに対応していたり、高い拡張性を備えていたりと機能も充実しているため、世界中で使われているのです。
広く普及していることから、解説本や専門のサイトも充実しているため、使いやすいソフトだと言えるでしょう。

Autodesk Viewer

Autodesk ViewerもAutodesk社によって開発されたツールですが、最も大きな特徴は無料で使用できることです。
機能の制限はありますが、費用を抑えられることは大きなメリットです。

ただし、AutodeskViewerでは、図面の作成や編集はできません。
商談時や現場で図面を手軽に確認したい場合などに使うと良いでしょう。

Adobe Illustrator

Adobe illustratorはデザインツールとして非常に有名なので、名前は聞いたことがあるかもしれません。
CADソフトではありませんが、実はDXFファイルを開くことができます。

設計図面にビジュアル的な加工を施したい場合は、illustratorを使うと良いでしょう。
色を塗ったり、影をつけたりと、より見やすく美しい図面に仕上げたい時に便利です。



おわりに

DXFは、CADソフトで使われるファイル形式を指します。
製造業で働いていると、図面データのやりとりなどをDXFファイルで行う場面が多々出てくるでしょう。
自分が担当になった際にスムーズに業務を進められるよう、今回の記事を参考にしていただき、基礎知識を押さえていってください。