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DX(デジタルトランスフォーメーション)ってどんな意味?なぜ重要?

公開日/更新日:2023.03.01


カテゴリー:生産性向上

2018年ごろから、世間でよく聞くようになった“DX(デジタルトランスフォーメーション)”。
しかし、いざ「説明してください」と言われると、うまくイメージを伝えられないのではないでしょうか。
この記事では、DXの意味を紹介したうえで、なぜ今DXが必要なのかを解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の意味

DXは、「デジタルを活用して、物事をさらに良い方向へ変革させること」を表します。
デジタル化を行うこと自体がDXだと思われがちですが、実は“変革”という点がポイントです。
デジタル化に伴って、提供する製品やサービス、また、それらにまつわるビジネスモデルそのものを変えてしまうことが、DXの本来の意味なのです。

ただし、難しく考える必要はありません。
身近なところでも、DXは実現されています。

例えば、銀行を思い浮かべてみましょう。インターネットバンキングが登場したことで、口座の開設はもちろん、取引の完了までがオンライン上で行えるようになりました。
また、ライブのチケットなども、今は電話をかけなくても、インターネットを通して購入できます。
このように、身近なところでもDXが進んでいることがわかります。

DXの定義

元々、DXは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念です。
当時の定義は「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」というものでした。

その後、時代は進み、現在の日本では、2018年に経済産業省が発表した『DX推進ガイドライン』内で、以下のようにDXが定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

(出展)経済産業省『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver. 1.0』

エリック・ストルターマン教授がDXを提唱した時代から現在にかけて、一貫して“変革”というテーマが掲げられています。

Digital Transformationが“DX”と表記される理由

デジタルトランスフォーメーションの英語表記は、「Digital Transformation」です。
それにもかかわらず、略称が「DT」ではなく「DX」になることは不思議だと思いませんか。

実は、これは英語圏の表記文化から由来しています。
Transという言葉には「交差する」という意味があり、英語圏では「Trans」は「X」と表現されることがよくあります。

そのため、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)は、DTではなく、DXという言葉で略されているのです。

DXとIT化の違い


DXと似たような言葉として語られる“IT化”。
しかし、両者には明確な違いがあります。

ITはInformation Technologyの略で、コンピュータとネットワーク技術の総称です。
そのため、IT化は「アナログ作業をデジタル化すること」という意味で使われます。

ただし、IT化は業務効率化と生産性向上を図る意味合いで使われるのが一般的で、“既存の業務プロセスは変えない”ことが前提です。
一方、DXは、デジタル化によって社会、ビジネスに変革を起こすところまで含みます。
そのため、IT化は、“DXを実現するための1つの手段”という位置づけだと言えるでしょう。

知っておきたい“デジタイゼーション”・“デジタライゼーション”

「DXはデジタル化による変革を表す」と説明してきましたが、デジタルを取り入れたからと言って、いきなり社会が変わるわけではありません。
DXに至るまでには、デジタイゼーション、そしてデジタライゼーションという段階があることを知っておきましょう。

デジタイゼーション

アナログな媒体や物理データをデジタルのデータに変換すること、また、デジタル技術やデジタルツールを取り入れることを指します。
例)紙媒体をPDF化する、資料を送る手段を郵送からメールに変える、など。

デジタライゼーション

デジタル技術やデジタルツールを取り入れたことで、個別の業務や製造プロセスがデジタル化することを指します。先ほどのIT化は、デジタライゼーションと近い意味合いです。
例)会議をペーパーレスで行う、情報発信をメルマガ配信で行うようになる、など。

このようにデジタイゼーション・デジタライゼーションを経て、テレワークを取り入れる、会社の営業方針がインサイドセールス型に変わる…など仕事の仕組みそのものが変わることが、ビジネスにおけるDXだと言えます。



世の中でDXが求められる理由

今、DXが求められている理由は、単刀直入に「企業が生き残るため」です。
2018年、経済産業省は『DXレポート』を発表し、2025年を境に、DXを実現している企業とそうでない企業で明暗が分かれる「2025年の崖」という言葉を生み出しました。

レポートでは、2025年以降に社会がDXを実現できなかった場合に生じると思われる経済損失を示しており、その額は、毎年12兆円にものぼると予測されています。

また、DXが進まない場合、以下のような事態になりうることも併せて警告されています。

・市場の変化に合わせて柔軟かつ迅速にビジネスモデルを変更できず、デジタル競争の敗者になってしまう。
・システムの維持管理費が高額化することで技術的負債を抱え、業務基盤そのものの維持・警鐘が困難になる。
・保守運用の担い手が不足することで、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失などのリスクが高まる。

(出典)DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~/経済産業省

つまり、DXを実現していかない企業は社会から取り残されてしまう、と国が発表したと言っても過言ではないのです。

以上の理由から、どのような企業でもDXを推進していくことが必要だとわかります。



まとめ

DXは、「デジタルを活用して、物事をさらに良い方向へ変革させること」を表し、企業がこれからの社会を生き抜いていくためには、必要不可欠な考え方です。

しかし、DXは一朝一夕で実現できるものではありません。
まずは自社の課題を振り返り、それを補うためには何からデジタル化を進めていくかを検討したうえで、DXを進めることが重要です。

「自社にDXは関係ない」と思わず、1つ1つできることから取り組んでいきましょう。