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製造業で在庫管理を行うにあたって知っておきたいポイントを紹介!

公開日/更新日:2023.04.19


カテゴリー:生産性向上

製造業において、なくてはならない「在庫管理」。
しかし、どのような仕事内容なのか問われると、具体的に何をするのかはあまりよくわからない方も多いのではないかと思います。

この記事では、そもそも在庫管理とはどのようなものなのか、製造業においてどのような役割を担うのかを解説し、在庫管理を行うにあたって知っておきたいポイントを紹介します。



在庫管理とは

在庫管理とは、企業に存在する在庫の最適量を保持することを指します。
企業は計画的に在庫を管理し、適正な在庫量を調整する必要があるのです。
在庫があると、製品の注文を受けたときに迅速に出荷することができますが、逆に在庫がないと、販売機会を失ってしまいます。
かと言って、在庫を多く抱えすぎると、保管期間が伸びることで品質が落ち、廃棄になってしまう可能性も高まってきます。
そのため、健全な経営を継続していくためには、在庫管理が必要不可欠です。



製造業における在庫の種類

製造業における在庫には、大きく分けて「部品・原材料」「仕掛品」「完成品」の3つがあります。
それぞれどのような役割を担うのか、詳しく見てみましょう。

部品・原材料

部品・原材料は、製品を作るための「もと(材料)」となる在庫です。
部品とは、ねじ、ばね、ナットのように、加工することなくそのままの形で使用できる在庫を指します。
例えば、機械や車はほとんどが部品からできていると言えるでしょう。
一方、原材料は、鉄材や樹脂材のように、加工することで物理的変化や化学的変化を起こして製品になる在庫を指します。

仕掛品

仕掛品は、部品や原材料を用いて製品を作っている途中で、まだ販売できない状態の在庫のことを指します。
例えば、焼く前のパンの生地、ファスナーを取りつける前の衣類などをイメージしてもらうと、わかりやすいのではないでしょうか。
また、似た意味の言葉として、「半製品」というものがあります。
半製品が仕掛品と異なる点は、そのままでも販売可能な製品だということなので、この機会に覚えておきましょう。

完成品

完成品は、製造が完了し、販売できる状態になった在庫のことを指します。
出来上がった完成品は、工場や倉庫で在庫として保管されるのが一般的です。
注文を受けると出荷され、小売店などで商品として販売されます。



製造業が在庫管理を行うべき理由


在庫管理を適切に行っていないと様々なトラブルが発生する可能性があります。
製造業が在庫管理を行うべき理由を確認していきましょう。

在庫が足りないと作業が遅れる

部品・原材料から仕掛品が作られ、仕掛品から完成品が出来上がります。
そのため、在庫管理を適切に行わなければ、部品・原材料や仕掛品が足りないという問題が起きる可能性があります。
部品や原材料が足りないと、もちろん製造は止まってしまうでしょう。
その結果作業が遅れると、完成品の出荷も遅れるため、販売機会を逃してしまう可能性が高まるのです。

在庫が余っていると保管コストがかかる

適切な在庫管理をしていないと、部品・原材料といった在庫を必要以上に仕入れてしまう可能性があります。
在庫を適切に保管するためには、場所の確保はもちろん、温度や湿度の管理など、思った以上にコストがかかる可能性があるのです。
その結果、せっかくの利益を圧迫してしまうことにつながります。

長期間置いた在庫は劣化する

在庫管理を適切に行っていなかった場合、在庫が多くなり長期間保管しなければならなくなります。
そうすると、保管環境によっては部品・原材料や完成品が劣化してしまうかもしれません。
もし劣化した在庫を使った製品を出荷してしまった場合、顧客からの信頼がなくなり、次の仕事に影響を与えてしまう可能性もあるでしょう。



製造業の在庫管理はどう進める?

これまで在庫管理の重要性を解説してきましたが、具体的にどのように進めていけばよいかが難しいところではないでしょうか。
そこで最後に、在庫管理の進め方をご紹介します。

適正在庫数を設定する

過去にどれだけ製造したか、出荷したか、廃棄したかを分析し、適正在庫数を設定します。適正在庫数とは、欠品を出さない程度の最小限の在庫数のことです。
先ほども説明したように、在庫が多いと製品が劣化する可能性があり、逆に在庫が少なすぎると販売機会を失ってしまいます。
そのため、まずは自社にとっての適正在庫数を見極めることが大切です。

在庫を見える化する

適正な在庫数が把握出来たら、次は在庫の状態をすぐに把握できるように見える化していくと良いでしょう。
例えば、バーコードを使用し、スキャンするだけで在庫の状態を確認できるのも1つの方法です。
どこに保管してあるのか、いつ入庫したのか、どれくらいの量が入っているのか、現在の使用料や残量などの情報を確認できると、古い在庫から使用できるため廃棄も少なくなります。

在庫管理を仕組み化する

在庫管理する際、ルールを決めることが非常に重要です。
例えば、入庫した部品・原材料は期限をあらかじめ決めて登録しておき、期限が切れたものはすぐに廃棄するのも1つの仕組み化です。
また、在庫が置いてある棚に番号を付けるというのも、在庫の場所や数が共有しやすくなります。
このように、在庫管理を仕組化してしまうことで、属人的な管理をなくし、効率よく在庫管理を行えるようになるのです。



まとめ

製造業において在庫管理を徹底することは、業務の効率化につながります。
自社に合った在庫管理方法を見出すことができれば、売上向上やコストダウンによる利益アップが見込めるでしょう。
在庫には、「部品・原材料」「仕掛品」「完成品」の3種類があると説明しましたが、今回解説した内容を踏まえて、それぞれを適正に管理できるよう仕組み化を図ってみてください。