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金属にさびが発生する原因は?すぐにできる対策法を紹介!
金属を多く扱う工場で、大きな悩みの種となる“さび”。
あなたも、職場で製品や機械にさびが発生して使えなくなってしまった経験があるのではないでしょうか?
この記事では、そのような悩みを抱えるあなたに向けて、金属にさびが発生する原因やさびの種類、さびを防ぐための対策法を紹介します。
金属にさびが発生する原因
金属にさびが発生するのは、空気中の酸素や水によって金属が酸化するためです。
身近な例で言うと、公園にある遊具や自転車のチェーンが分かりやすいのではないでしょうか。
鉄棒やブランコの金属でできている部分や自転車のチェーンは赤褐色にさびており、触ると手が茶色くなったことがある方も多いのではないかと思います。
これは、屋外という雨に当たりやすい環境で酸素や水と金属が反応してさびが発生しているのです。
他にも“もらい錆び”といって、さびている部分が何も部分に触れることで、さびが広がることもあります。
逆に、酸素や水のない真空中では金属がさびることはありません。
さびの種類
さびには、金属の種類などの違いによって複数のさびが存在します。
その中でも赤さび、青さび、白さび、黒さびの4種類について詳しく説明します。
赤さび
日常生活の中で1番よく目にする赤褐色のさびを赤さびといいます。
赤さびは主に鉄や鋼でよく見られるさびで、鉄が酸素や水と結びつくことで発生します。
鉄は、酸素や水と化学反応を起こし、水酸化第二鉄、オキシ水酸化鉄、酸化第二鉄と変化していくため、放っておくとどんどん腐食していき、ボロボロになってしまうのです。
青さび
青さびは、主に銅に発生するさびです。
アメリカの自由の女神や鎌倉、奈良にある大仏など、銅像に発生するさびがこの青さびです。これらのさびは青緑色をしていることから“緑青”ともいいます。
青さびは、酸素と結びつくことで保護膜のような働きをし、腐食から守ってくれるのが特徴です。
そのため、銅を保護することを目的に、あえて青さびを発生させることもあります。
白さび
亜鉛やアルミニウムに発生するさびを白さびといいます。
アルミニウムは酸化して酸化アルミニウムとなり、さらに水和酸化物となることで青さびと同様に保護膜のような役割を持ちます。
しかし、白さびはあまり見た目がよくないことから、青さびのようにわざとさびを発生させることは基本的にありません。
黒さび
黒さびは、鉄や銀に発生します。
しかし、この黒さびは自然には発生しません。
鉄や銀などの金属を高温で熱したり、薬剤を塗ったりして、意図的に発生させることででき、金属を赤さびから守るために施されるのが一般的です。
黒さび加工の例としては、刃物や工具、中華鍋のような鉄鍋が挙げられます。
さびを防ぐための4つの対策
さびは一度発生すると広がってしまうので、事前に防ぐことが重要です。
最後に、さびを防ぐための対策を4つ紹介します。
水分を取り除く
さびを防ぐために1番簡単にできる対策は、水分を取り除くことです。
金属に付着した水分を乾いた布でふき取ることが、どの防錆加工を行うにもまずはじめに行うべき対策となるでしょう。
また、乾燥剤を入れて保管したり、湿度を制御できる部屋で保管したりすることでも水分を取り除くことができます。
さびの発生しにくい場所で保管する
さびが発生しにくい場所で製品を保管することも、さび対策として挙げられます。
前に述べた通り、さびが発生する原因は空気中の水分と酸素です。
そのため、保管する部屋の湿度を下げることや、乾燥剤、脱酸素剤を入れて密閉しておくことでさびを発生しにくくできるのです。
ただし、この対策は部屋が密閉されていることで効果をもたらすため、何度も人が出入りするような場所には向きません。
防錆スプレーやシートを使う
防錆スプレーやシートを使うことで、さびを防ぐことができます。
さびを防ぎたいものに対してスプレーをふりかけたり、シートで覆ったりすることで、防錆成分が金属をさびから守ってくれます。
ただし、この防錆スプレーやシートの効果は一時的なものであるため、運搬するときなど、一時的に使用するときに適している方法だといえるでしょう。
めっき塗装を行う
金属の表面を別の腐食しにくい金属で覆うことで、さびを防ぐことができます。
めっき塗装には、クロムめっき、アルミニウムめっき、亜鉛めっき、金めっき、ニッケルめっき、スズめっきなど、いろいろな種類のめっきが使われていて、さびを防げるだけでなく、見た目も良くなるという利点があります。
ただし、めっき塗装に傷がついてしまうと、そこからどんどんさびが広がっていくこともあるため、注意が必要です。
おわりに
さびには、赤さびのように金属を腐食させ害となるさびもありますが、青さび、白さび、黒さびのように保護膜を作ることで金属を守ってくれるさびもあります。
それぞれのさびの特性についてよく知り、悪いさびは防ぎ、良いさびはうまく使いこなせると余計な手間がかからなくなるでしょう。
さびを防ぎながら日頃から点検をしっかりと行い、もし悪いさびが発生した際にはそれ以上広がらないよう迅速に対処しましょう。