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【今さら聞けない】結局のところ“見える化”って何するの?

公開日/更新日:2024.07.22


カテゴリー:生産性向上

「社内は“見える化”しなければならない」


「社内は“見える化”しなければならない」

そんな言葉をよく聞くようになりましたが、実際のところ、見える化って何をどうすれば良いかわかりにくいと思いませんか。

そこで、この記事では、そもそも見える化とは何をするのか、どのような目的で行うものなのかを解説し、実際に見える化を進める際のポイントを紹介します。



見える化とは?目的は?

見える化とは、文字通り社内のモノや状況を目で見えるようにすることを指します。
ただし、見える化そのものがゴールになるわけではありません。

  • 社内の問題や課題を明確にする
  • 業務のプロセスを明らかにする
  • ブラックボックス化を防ぎ、属人化を解消する

などが、見える化の目的として挙げられます。

見える化によって浮き彫りになった課題などを見直し、現場の改善につなげていくことが重要なのです。
そうすることで、生産性の向上や業務効率化が期待できるでしょう。



具体的に何を見える化するの?

実際に生産性の向上等につなげるためには、まず何を見える化するのかを知っておくことが重要です。

業務内容

まず見える化するべきなのは、現在の業務内容です。
なぜなら、普段行っている業務の中にも意外と無駄な作業が潜んでいることが多いからです。

あなたの会社でも、特定の人しかわからない、ルールが曖昧でブラックボックス化してしまっているような業務はありませんか?
そのような業務があると、いつまで経っても現状は改善されません。

無意識に近い状態で行っている業務なども、作業をすべて紙に書き出してみるなどして、業務内容の見える化を進めていきましょう。

社内にあるモノの種類・場所

社内にはどんなモノがあるのか、それらはどこにあるのかを把握できていないと、探すのに必要以上の時間がかかってしまいます。

実際、「あれってどこにあったっけ?」と使いたいものが見つからず、探している時間が10分以上かかっているようなこともあるのではないでしょうか。
たかが10分と思うかもしれませんが、それが1日1回ある場合は1週間で約1時間、1ヶ月で約4〜5時間もの時間を探し物に費やしていることになります。

その分も人件費がかかってくるとなると、いかに探し物時間を減らすかが重要なことか気付いていただけるのではないかと思います。
そのためにも、社内のどこに何があるのかを見える化しておくことが重要なのです。

製品の納期

「この製品、納期いつまでだっけ?」
「あの製品を先に仕上げないといけなかったのに…!」

現場でこのようなことが発生すると、たちまち残業や休日出勤が生じるなど、生産体制が非効率なものになってしまいます。
余計なコストがかかるだけでなく、従業員のモチベーションが下がるなど、組織としても損失は大きいでしょう。

特に製造業においては、お客様の信頼を失わないようにするためにも納期の管理は必須です。
徹底的に見える化を進めましょう。

現場の状況

誰が何をしているのか、どこまで進んでいるのか、人や機械の負荷状況はどうなっているのか…など、あなたの会社では現場の状況がしっかりと見えていますか?
これらが見えていないと、トラブルの種になってしまいます。
そのため、

  • 担当者ごとの作業内容や時間
  • 工程の進捗
  • 機械の負荷状況

などを見える化することが大切なのです。



見える化するためのポイント

見える化を進めるためには、ポイントがいくつかあります。
何を見える化するべきかを踏まえたうえで、次に説明する内容を参考にしてみてください。

まずは課題を把握する

見える化を行う前に、まずは社内で課題になっていることを把握しましょう。
よくあるものとしては

  • どこに何があるかわからない
  • 受注した製品を加工する際の優先順位がわからない
  • 誰が何をしているのかリアルタイムで把握できない

などの課題が挙げられるでしょう。

目的なく闇雲に見える化すると、結局社内の課題解決にはつながらなかった、ということも十分ありえます。
そうならないよう、まずは社内で解決したい課題を炙り出しましょう。

見える化するもの・方法を決める

課題を明確にすることで、何を見える化するべきかが明らかになってきます。
先ほどの例を引用すると

  • どこに何があるか → 備品の所在
  • 加工の優先順位 → 製品ごとの納期
  • 誰が何をしているか → 現場の状況

対象がわかったら、実際に見える化する方法を考えましょう。
エクセルや管理システムを使うのも選択肢の1つです。

ルールを共有する

見える化するもの・方法が決まったら、社内でルールを共有しましょう。
やることが決まっていても、従業員が行動に移してくれなければ、形骸化してしまいますよね。
ルールもきちんと見える化し、誰が見ても理解できるようにしておきましょう。
決めた内容を共有し、社内に浸透させることは難しいことですが、現状の課題を解決するためには何よりも必要なことなのです。



おわりに

見える化を進めるときに大切なのは、何を見える化するか以上に“何を解決したいか”を把握することです。
まずは、社内の課題を明らかにしたうえで、今回紹介した例や手順を参考に社内の見える化を進めていきましょう。

なお、製造業の見える化においては、システムを活用するのも1つの方法です。
「見える化するものは決まったけど、実際に見えるかするのが難しい…」
と感じている場合は、「○○ 見える化 システム」などで検索してみてください。
あなたのやりたいことが実現できるシステムが見つかるかもしれませんよ。