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製造業でよく見るOEMとは？具体的な事例を紹介！
製造業で働いていると、OEMという言葉を聞くことがありませんか。
しかし、いざ言葉だけ聞いても、どういう意味なのかイメージがつかない方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事ではOEMの基礎知識を解説したうえで、具体的な事例も紹介していきます。
OEMとは？
OEMとは、”Original Equipment Manufacture”の省略形で、他社のブランドの製品を作ることやそのような企業のことを指します。
OEM契約を結ぶことで、委託側の企業は製品の企画・開発を行い、受託側の企業はその製品を実際に製造します。
その後、完成した製品は委託側企業の製品として市場で売られることになるのです。
OEMにはどんなメリットが？
OEMを行うと、委託企業・受託企業の双方にメリットがあります。
主なメリットは、以下の2点です。
コストが削減できる
OEM生産を行うことで、自社で部品や製品を生産する場合に比べてコストを削減することができます。
自社で生産する場合、製造ラインや設備、人員などの投資が必要になりますが、OEM生産を行うことで、製造側の企業の設備などを活用できるため、コストを削減することができるのです。
その結果、生産効率の向上にもつながるでしょう。
ブランドイメージが向上する
OEM生産により、自社ブランドの製品ラインナップを拡充することができ、消費者に対するブランドイメージの向上が期待できます。
OEM製品はコストパフォーマンスに優れた製品を提供できることが多いため、消費者側も選択肢が増え、ブランドイメージの向上につながっていくでしょう。
OEMにはデメリットもある？
OEMには、メリットがあるばかりではありません。
以下のようなデメリットも考えられるので、注意が必要です。
生産体制の変更が難しい
自社で製品を製造していれば、製品を改良したり生産コストを落としたりと、状況に合わせて臨機応変に生産体制を変更できるでしょう。
しかし、OEMで製造を委託していると、品質管理も含め、生産体制を定期的に変えることは難しくなるでしょう。
自社の技術が育ちにくくなる
OEM委託側は、対象商品について製造ノウハウを育てる機会が減少します。
製造ノウハウがたまらず、自社内の技術が育たなければ、長い目で見ると不利になる場面があるかもしれません。
完全に丸投げするのではなく、別事業などで社内の技術を維持することは意識しておくことが望ましいでしょう。
OEMの事例を紹介
OEMは、今や多くの業界で広く行われています。
その中でも、特に特徴的な事例を4件紹介します。
自動車
自動車業界では、OEMがよく行われています。同じ車種の自動車が、別のエンブレムを付けて売られているところを見る機会も少なくないでしょう。
自動車業界のOEMには、大きな目的として販売車種の拡充があります。
例えば軽自動車は、法制度的に日本にしか存在しません。
そのため、世界進出に力を入れている企業にとっては手を出しにくい分野です。
そこで、軽自動車の得意なメーカーにOEM委託をすることで、自社ブランドとして軽自動車を販売することが可能になります。
化粧品
化粧品業界も、OEMが盛んな業界の1つです。
他業界に比べて小ロットからの委託を請け負っているメーカーも多く、在庫のリスクを抑えて事業を展開できるようになっているので、資本がない企業にとっても参入障壁が低くなります。
インフルエンサーが化粧品のプライベートブランドを立ち上げたり、地方の特産品を活かした化粧品が土産物屋に並んでいたりするのを見かけたことはないでしょうか。
これらの製品もOEMによって生産されたもので、個人事業主レベルの資金が限られた会社であっても、製品の企画・販売が可能になっていることが分かります。
携帯電話
携帯電話業界においても、OEM委託をしている企業は多くあります。
その中でも、最も有名なのはApple社でしょう。
Apple社は、その先進的な商品の企画開発や、巧みなマーケティング戦略により現在の地位を確立しました。その背景には、OEM委託をして生産工程を全て外注し、コア事業にリソースを集中させてきたという環境があります。
アパレル
アパレル業界でも、よくOEMが行われています。
中国やベトナムといったアジア諸国で生産された洋服を手に取る機会も多いと思いますが、これは海外の工場へ生産委託をしている企業が多いためです。
海外の工場で委託生産を行うことで、安い人件費や広い工場用地などを利用して、より安く製品を作ることが出来るようになるのです。
こうしてコストを抑えられるようになったことで、ファストファッションのような、安く大量に製品を売る業態が大きくなってきていると言えるでしょう。
おわりに
今や、OEMは様々な業界でなくてはならない仕組みになっています。
OEMによって、製造・販売事業がより多くの企業の選択肢に入ってきていると言えるでしょう。
今回ご紹介した内容を通じて、より具体的にOEMをイメージ出来るようになっていただければと思います。
