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ISO9001を取得するまでの流れとは?期間や費用もご紹介!
ISO9001を取得することに決めたものの、取得までどのように進めたらいいのだろうと悩んでいませんか。
ISO9001は、取得までの流れをあらかじめ知っておくことで、スムーズに取得することができます。
そこで、この記事では、ISO9001を取得するまでの流れや、必要な期間、費用について紹介します。
ISO9001とは?
ISO9001は品質マネジメントの規格を表し、顧客満足度を高めるため、製品やサービスの品質を向上させるのに必要な国際的なガイドラインのことをいいます。
つまり、ISO9001を取得すれば、自社製品等の品質が国際基準に沿っていることを証明できるのです。
ISO9001を取得するためには、具体的なルールや作業方法を社内で共有し、そのプロセス通りに業務を行うことで、製品やサービスの品質を保つ必要があります。
>> 製造業でよく見るISO9001とは?取得するメリット・デメリットは?
ISO9001を取得するまでにかかる期間や費用
ISO9001を取得するまでには、どのくらいの期間と費用がかかるのでしょうか。
それぞれについて説明します。
期間
ISO9001を取得するまでには、短くて6か月、長くて1年ほどかかります。
マネジメントシステムを構築するのに3~4か月程度、構築後、運用、改善を繰り返し確立するまでに3~6か月程度かかるでしょう。
ただし、会社の規模や適用範囲、専門業者への依頼の可否によって取得までにかかる期間は大きく変わります。
もし、早めに取得したいという場合には、専門業者へコンサルティングを依頼するのも1つの方法です。
費用
ISO9001を取得するのに必要な費用は、大きく3つに分けられます。
審査費用
審査費用は、企業の規模や審査機関によって異なりますが、50~100万円かかります。
更新費用
ISO9001取得後も、維持審査・更新審査があります。そのため、毎年費用がかかります。
コンサルティング費用
コンサルティング費用の相場は50~60万円といわれています。
ISO9001を取得するときには、審査費用とコンサルティング費用で少なくとも100万円はかかると見込んでおきましょう。
この他に、ISO9001について勉強するためのセミナー費や、設備導入費がかかる場合もあります。
ISO9001を取得するまでの流れ
ISO9001取得にかかる期間や費用が分かったところで、取得までの流れについて説明します。
計画を立てる
まずはじめに、ISO9001取得までの計画を立てましょう。
以下の5つの順序に沿って計画を立てます。
①いつまでに取得するか
②担当者の決定
③専門業者のサポートを受けるか
④予算の決定
⑤どこの審査機関で審査を受けるか
計画を立てたら、全社員に向けてISO9001取得を宣言しましょう。
品質マネジメントシステムを構築するうえで、社員の協力は不可欠です。
全社員が当事者意識を持ってISO9001取得に向かうためにも、あらかじめ宣言しておくことは非常に重要になります。
品質マネジメントシステムを構築する
次に、品質マネジメントシステムを構築します。
この段階で忘れてはいけないのは、「自社に合ったマネジメントシステムを構築する」ということです。
例えば、自社でシステムを確立することが面倒だからと、ISO9001取得済みの同業種他社のやり方をすべて真似するとしましょう。
しかし、他社と自社では同業種とはいえ、従業員数、環境など、異なる点がいくつもあり、同じマネジメントシステムを運用することはできません。
業務内容や従業員数に合った、自社ならではのマネジメントシステムを構築することが大切です。
書類を作成する
品質マネジメントシステムの構築ができたら、書類作成を行います。
審査を受けるうえで必要な書類の例として、
- 品質マネジメントの適用範囲
- 品質方針
- 品質目標
- 組織図
- プロセスマップ
- 手順書
- 仕様書
などが挙げられます。
また、書類作成とは別に、生産スケジュールや製品試験の結果といった“記録”も保管しておきましょう。
実際に運用して記録を残す
構築した品質マネジメントシステムを実際に運用します。
マネジメントシステムを運用するときには、PDCAサイクル(P:Plan= マニュアル作成 D:Do=運用 C:Check=改善点の確認 A:Action=改善)を回していくことが重要です。
実際に運用していくことで、構築する段階では気づかなかった問題点が見つかり、改善につなげられます。
また、運用した結果や問題点、どう改善したかを記録しておくことも大切です。
申請を出して審査を受ける
審査機関に申請を出し、審査を受けます。
審査は一次審査、二次審査の2つの審査があり、審査会で認証が下りれば、無事にISO9001認証取得となります。
まず一次審査では、作成した書類や記録をチェックされます。
もし、要求事項を満たしておらず不適合と判断された場合には、期限内に改善し、再提出しなければなりません。
二次審査では、書類だけではなく、実際の業務も判断材料となります。
二次審査も一次審査と同じように不適合となった場合には、改善し再度報告する必要があります。
おわりに
この記事では、ISO9001取得までの流れや、取得にかかる期間、費用をお伝えしました。
ISO9001は、取得後も維持・更新のために毎年審査を受けなければなりません。
そのため、決してISO9001を取得することをゴールにせず、何度も“構築・運用・改善”を実施し、長い目で運用し続けられる内容に仕上げましょう。