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「SaaS(サース)」とは?町工場でも使えるの?

公開日/更新日:2023.06.28


カテゴリー:生産性向上

2006年ごろから、徐々に世の中に浸透してきた“SaaS”という仕組み。
近年では、SaaS型のツールの普及が加速してきており、町工場でも導入する事例が増えています。
しかし、明確な意味を理解しないまま使っている場合も多いはず。
そこで、この記事ではSaaSの意味を解説し、具体的なツールやSaaSの特徴などをご紹介します。



SaaSとは?

SaaSとはSoftware as a Serviceの略で、そのまま直訳すると「サービスとしてのソフトウェア」という意味になります。読み方は、サースです。

簡単に説明すると「インターネット経由で利用できるソフトウェア」のことを表します。
ベンダーが提供するソフトウェアを、ユーザーがインターネットを経由して利用するサービスのことを指します。

従来、ソフトウェアを利用するときは、CD-ROMなどからデータをインストールして使うのが一般的でした。WordやExcelを、そのように使っていた記憶がある方も多いのではないでしょうか。

そのようなソフトウェアは、「製品」として購入するものであり、サービスとは言い難かったかもしれません。しかし、現代のように、インターネット経由でソフトウェアを使用する形態は「サービス」としてソフトウェアを使う認識に変わってきているため、SaaS(Software as a Service)と呼ばれているのです。



町工場にも導入しやすいSaaS型ツールの例

概要だけを説明されても、いまいちSaaSのイメージがつかみにくいかもしれません。
そこで、具体的にイメージしてもらえるように、町工場にも導入しやすいSaaS型のツールをいくつか紹介します。

  • チャットツール:Chatwork、Slack など
  • Web会議システム:Zoom、Google Meet など
  • 会計ソフト:やよいの青色申告 オンライン、マネーフォワード クラウド など

その他にも、Gmail や Yahoo! メールなどのメールサービスや、工場の業務効率化につながる生産管理システムなどもSaaS型のツールに分類できます。

このように見ていくと、SaaSは身近なところにたくさんあるということが、ご理解いただけるのではないでしょうか。

「インターネットを通じて、ベンダーが提供しているサービスを利用する」という点がポイントです。



SaaSの特徴

そんなSaaSには、次のような特徴があります。

使用時間・場所を問わない

先ほど説明したとおり、SaaSはインターネットを経由して使用するソフトウェアです。
そのため、インターネットに接続されている状態であれば、使用する時間や場所を問いません。
会社にいるときはもちろん、出先にいる場合や電車の中でもサービスが使えます。
他のユーザーとの共有ができるツールも多いため、複数人でリアルタイムの編集ができるなど、ビジネスの効率化にもつながります。

納期が短く、管理が楽になる

SaaSのソフトウェアは、ベンダーが開発しているソフトウェアを使うのが一般的です。そのため、ユーザーがシステムを考案・開発する必要がなく、導入までの納期が短くなります。
また、自社開発した場合や、インストールしたソフトウェアだと、バージョンアップやメンテナンスをユーザー側が行わなければなりません。

しかし、SaaSの場合は、ベンダーがソフトウェアの保守・管理を行うため、ユーザー側は管理に手間をかけることなく利用できます。

コストを抑えられる

システムを自社開発しなくて良いというのは、コスト面にもメリットがあります。SaaSの支払いはサブスクリプション型で月々一定額を支払うものが多く、初期費用を大きく抑えられます。

例えば、製造業、町工場であれば、生産管理システムを導入する場合、インストール型だと数百万円〜1,000万円程の費用がかかることも少なくありません。しかし、SaaS型のシステムであれば、月々数千~数万円程度の月額費用で済む場合が多く、導入時に大きな費用がかかることを避けられるのです。



SaaSの導入を検討する際に気を付けたい点


メリットの多いSaaSですが、気を付けておきたい点もいくつかあります。
導入する際は、次のような点を確認しましょう。

機能が自社に合っているか

SaaS導入時は、搭載された機能をしっかりと確認し、自社が求めるものに対して過不足がないものを選びましょう。
ソフトウェアを導入するとき、どうしても高機能なものを選びたくなるものですが、実は機能が多いものは使いこなすのも難しく、費用も高くなる場合が多いのです。
自社の業務をどう効率化したいか、どのような機能があると良いのかを踏まえて、導入するソフトウェアを選びましょう。

OSやデバイスが対応しているか

自社で扱っているOSやそのバージョン、デバイス、Webブラウザがソフトウェアに対応しているか確認しておきましょう。
「Windows8は対応してなかった・・」「MacのPCでは動作保証がされていなかった!」などのように、後から自社のデバイスに合わないソフトウェアを導入したことに気付く場合も少なくありません。
PCならWindows・macOSどちらに対応しているのかOSのバージョンはいくつまで対応か、スマートフォンならAndroid・iOSに対応しているかは確認しておくだけでも、後々のトラブルを避けられるでしょう。

セキュリティリスクがある

SaaS型のツールは、インターネット上でデータを管理します。そのため、不正アクセスなどのリスクは常につきまとうのが現実です。もちろんSaaSのベンダーは、セキュリティ対策を徹底していますが、どうしても完全にリスクを回避することは難しいでしょう。

そのため、社内でのセキュリティへの教育やルールづくり、重要事項などはクラウドに保管せず自社サーバーで保管するなど、うまくSaaSとの使い分けを考えることも重要です。



まとめ

多くの人がインターネットを介して仕事を行う現代社会において、SaaSはこれからのビジネスに欠かせないものとなっています。加えて、現代は多くの企業でDXが推進されており、デジタルを活用した会社運営は必須になっていると言っても過言ではありません。

まずは、自社の課題をあぶり出し、その課題を解決できるSaaSを見つけ出すことがDX社会を生き抜くカギになるでしょう。今回、例として紹介したツールには簡単なものも多いので、まずは無料で始められるようなものからSaaSを導入していってみてはいかがでしょうか。

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