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製造業のDXが進まない理由を徹底解説!意識するべきポイントは?

公開日/更新日:2023.03.29


カテゴリー:生産性向上

「DX」という言葉、最近よく耳にする方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際のところは、製造業におけるDXはあまり進んでいないのが現状です。

この記事では、製造業のDXはどうして進まないのか、製造業がDXを進めるメリットや意識するべきポイントを紹介します。改めて、DXに取り組む際の参考にしていただければと思います。

そもそも“DX”がどのような意味なのかを改めて確認したい場合は、以下の記事をご覧ください。
>> DX(デジタルトランスフォーメーション)ってどんな意味?なぜ重要?



製造業のDXが進まない3つの理由

まず、製造業のDXがあまり進まない理由を、大きく3つに分けて解説します。

デジタル化に強い人材が少ない

製造業のDXが進まない原因として「デジタル化に強い人材が社内に少ない」ことが挙げられます。

製造業で働く方の中には、製品のことや技術のことは詳しくても、デジタルに関してはめっぽう弱いという方が多数います。業界全体の年齢も高齢化しているため、デジタルに対応できる人材がすぐに増えることは難しい状況にあるのです。

でもみなさんいつの間にかスマホでパソコンには慣れて行ってるはずなので、その”苦手”実は先入観だったりもします。

社内で反対の声が多い

社内で反対の声が多いのも、DXが進まない原因と言えるでしょう。

従業員が高齢の場合はシステムを受け入れるのに時間がかかる、システムを導入しても使おうとしない、とにかく変化を嫌う…など、デジタル化には社内の反対がつきものです。

このような場合には、システムを導入するメリットを数字などで具体的に示し、現場の理解を得ることが重要になってきます。実は導入に賛成もしくは中立の人も多いので、そこに目を向けてみましょう!

具体的に何をすれば良いかわからない

「DXを進めたいけれど、何をすれば良いのかがわからない」というのも、DXが進まない原因の1つです。もしかしたら、そもそも「DXとは何か」から理解しなければならないかもしれません。

ざっくりDXを進めやすい流れとしては
①現状の仕事の流れ、課題を把握・理解する
②その課題はどうすれば改善できるのか考える、
③その課題を解決できそうなデジタルツールを探してみる
④実際にデジタルツール等を導入する(まずは試してみるのをオススメします)
という順に進めると実現しやすくなります。

このように、製造業においてDXを進めるときには、「デジタル化すること」をゴールにするのではなく、まずは「現場の課題を解決すること」に目を向けることが重要です。目的と手段をしっかり考えましょう。

どうしたらDX化は進む?

コストをどれくらいかけるかにもよりますが、まずは手軽なところで情報収集から始めましょう!

  • DX関連の本を読んでみる。
  • 同業他社(経営者仲間)の話を聞いてみる
  • 商工会議所などのセミナーに参加してみる。
  • 工場見学に行ってみる。(DXが進んでいる会社は工場見学を行っている会社がある)

少し詳しくなってくると、いろんな選択肢が見えてきます。いきなりコンサルを頼むのも選択肢としては”アリ”ですが、コンサルさんと話す中でスムーズにDX化を進めるには、自分の知識も必要です。最終的な判断は自分の会社のDX化を担当するあなたの仕事です。



製造業がDXを進めるメリットは?

そもそも、なぜ製造業はDXを進める必要があるかご存じですか。
ここでは、DXで得られるメリットを紹介します。

売り上げが上がる

DXを進めることで、生産性が上がって単純に同じ時間でも以前よりもたくさんの製品が生産できるようになることで、売り上げの向上が見込めます。

またデジタルの良いところは効率化だけでなく情報を蓄積して、そのデータを活用できることです。蓄積した情報を集計してみると、思わぬロスを見つけたり、今まで気づいていなかった強みが見えてきます。また蓄積した情報やノウハウを活かして、新しい顧客サービスを生み出せる可能性が増えます。

これらはデジタル化をしないと見えないので、いまデジタル化出来ていなくても仕事回ってるし売上も問題ないから・・と油断していると時代の変化についていけなくなることも考えねばなりません。

コスト削減につながる

DXを進めることはコスト削減にもつながります。こちらは生産性向上とも関連しますが、例えば、これまで2時間かかっていた作業が、DXによって1時間で終わるようになったとしましょう。そうすると、機械コストや人件費などは自ずと削減されます。

同じものを作るのにもかかる時間が減れば、1個あたりの原価をグンと下げることができます。また余力があれば違う仕事を受けるなどして仕事の幅も広げられます。

このように、製造業ではまだまだ省ける無駄がたくさんあり、DXによって一気にコスト削減が進む場合があるのです。

属人化をなくせる

DXにより、業務の属人化も減らしていくことができます。例えば、工場の生産状況や各製品の納期などは、まだまだ工場長が頭の中で管理しているだけという会社も少なくないでしょう。

しかし、生産管理システムなどを導入し、複数の従業員が同じような情報を共有できていれば、工場長が突然長期間休むようなことになっても、混乱することなく現場を回せるようになります。

このように、デジタルを駆使して情報を見える化することで、業務の属人化をなくしていくことができるのです。



DXを進めるための具体的なポイントは?

DXによるメリットが理解できても、まだ何をするべきかわかりにくいかもしれません。
最後に、DXを進めるためのポイントをお伝えします。

DXの目的を明確にする

まずはじめに、DXを進める目的を明確にする必要があります。
どうしてDXを導入するのか、導入したことでどうなることを望んでいるのか明確にしなければ、導入することがゴールとなってしまい、費用だけがかかってしまうからです。
DXを進めることはあくまでも手段であり、生産性を上げることやコスト削減など、DXの先にある目的を忘れないようにしましょう。

アナログで効率化→デジタル化の順で進める

既存の業務で無駄がないかを確認し、まずはアナログならどう効率化できるかを考えることが重要です。
アナログの時点で無駄を省く方法を考え、その方法を満たすデジタルツールを導入するという流れで進めれば、DXが成功する可能性は高まります。
定期的に効果を確認し、また次の業務改善に取り組むという形を定着させていくと良いでしょう。

少しずつ始める

DXは、少しずつ始めることが何よりも大切です。
全てを一気に新しくしてしまうと、現場の混乱を招きかねません。
また、多額の投資が必要な場合、失敗したときのリスクが大きくなってしまうのです。

最終的には多くの設備を一新することになるかもしれませんが、少しずつDXを進めていくことで従業員の負担も少なく済むようになります。
取り組みやすい業務や、少額の投資で成果が出やすい業務から少しずつDXを進めていくことを念頭に入れておくと良いでしょう。



おわりに

製造業において、DXは生産性の向上や属人化の解消、コスト削減など、多くのメリットをもたらします。一方で、DXを進めるにはかなりの労力、時間、お金がかかるのも事実です。

デジタル化して効率化の下地ができると、その先に本来のDXの目的である事業の変革を考えることができます。製造業はデジタル化が進んでいない業界の1つなので、今デジタル化をしっかり行える体制を作っておくと、他の会社との差別化、会社の個性化ができ、ひとつ頭が抜けた存在感のある会社になれます。

製造業のDXは現場を正しく理解しながら、うまくデジタルを活用しながら少しずつ進めていくことがポイントとなります。ぜひ、この記事を参考にしていただき、自社のDXに取り組んでみてください!