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リードタイムを短くする3つのメリット&ポイントを解説!

公開日/更新日:2024.04.23


カテゴリー:生産性向上


製造業において、リードタイムを短くすることは重要な課題の1つと言えるでしょう。
しかし、日々の生産を行う中ではあまりリードタイムを意識しないままになってしまっているかもしれません。
ただ、「この手間さえ省ければ…」「前工程にどれだけ製品がたまっているか把握できれば…」と感じることがある場合、それらを解消できれば、すべて“リードタイムの短縮”につながっていくのです。
そこで、この記事ではリードタイムを短くするメリットを紹介したうえで、実際に短くするためのポイントを解説します。



リードタイムを短くすると生まれるメリット

まずは、リードタイムを短くすることでどのようなメリットが生まれるのかを解説していきます。

生産性が向上する

リードタイムが長いということは、生産開始から実際に完成するまでの時間が長くかかってしまっていることになります。
このような場合、細かく生産ラインを調べていくと、多数の無駄が見つかるはずです。

例えば、

  • 在庫がたまり、管理コストなどが余計にかかる
  • 前工程が終わっているにもかかわらず、後工程の準備でできていない

など、普段は見逃している無駄がたくさんあるでしょう。

リードタイムを短くすることを意識すると、このような無駄を炙り出す機会になり、工場の生産性が向上するのです。

顧客満足度が向上する

リードタイムを短縮すれば、その分お客様への納品をスムーズに進められることになります。
製造業ではお客様の先にさらにお客様がいる(いわゆる、エンドクライアント)場合も多く、自社で1日納期が遅れるだけでも、その後に大きな影響を与えることも少なくありません。
そのため、リードタイムを短くし、お客様の要求に的確に対応していくことで、顧客満足度を高めることができます。

売上アップにつながる

上記2つのメリットに関連する項目ですが、顧客満足度が高まるということは、それはそのまま“会社の信頼性が高まる”ことにもつながります。
そのため、安心して注文してもらえるようになるのはもちろん、生産性が向上しているため、これまで以上の仕事を受けいられる体制が整っているでしょう。
そのような連鎖反応が生まれるため、リードタイムが短くなることは売上アップにつながるという大きなメリットも期待できるのです。



リードタイムを短くするための3つのポイント

実際にリードタイムを短くするためにはどのような点に気をつければ良いのか、ポイントを3つに分けて解説します。

全体の負荷状況を把握する

リードタイムを短縮するためには、生産ライン全体の負荷状況を把握することが重要です。生産ラインの各工程で作業するスタッフや装置の稼働状況に加えて、原材料の入荷スケジュール等まで把握することで、生産ライン全体の効率を高められます。
先ほど紹介したような、「前工程は終わったのに、後工程の準備が…」といった無駄の削減にもつながるでしょう。
例えば、エクセルやシステムを活用して、“ガントチャート”を活用してみるのも方法の1つです。

>> ガントチャートとは?製造業におけるメリット・デメリットを解説

生産計画を綿密に立てる

生産計画を綿密に立てることも、リードタイムの短縮につながります。
生産量や生産タイミングを正確に把握し、先ほどの全体の負荷状況を見極めながら、計画を立てていきましょう。
仕事は「段取り八分」と言われるように、準備の段階でどれだけ環境を整えられるかが重要です。
こちらもガントチャートを活用して、計画を立てていくと良いでしょう。

在庫管理を徹底する

リードタイムの短縮には、在庫管理の徹底が欠かせません。
仕掛在庫、製品在庫ともに、在庫を抱えるとそれだけで管理コストやスペースの問題など、考えなければならないことが増えます。
また生産途中の在庫が増えると、それだけで生産性が下がるため、リードタイムはどんどん長くなってしまうでしょう。
在庫の種類や数量、管理方法などを見直すことで、在庫の最適化を図ることを意識するのが大切です。



押さえておきたい注意点

リードタイムを短くしたときのメリットはたくさんありますが、注意しておきたいことももちろん存在します。
最後に、押さえておきたい注意点を紹介するので、この機会にぜひ覚えておきましょう。

目的を明確にしておく

リードタイムは、気付くと“短くすること”が目的になってしまうことも多く、短縮できた結果、どのようなメリットにつながるのか分からないまま闇組に進めてしまう場合も少なくありません。
そうすると、リードタイムは短くなったものの、結果的に必要な人手が増えてしまった、余計なコストが発生するようになった…などのマイナス面の方が強くなってしまうのは本末転倒です。
「なぜリードタイムを短くする必要があるのか」を意識しながら、実施する改善策を検討していきましょう。

品質が低下しないようにする

リードタイムを短縮する際、特に“品質の維持”は徹底しなければなりません。
スピードを求めるがために、手抜きで作業する、確認を怠る…といったことが常態化してしまうと、顧客満足度が下がるなどの悪影響を招いてしまうでしょう。
改善案を出す際には、チェック項目も併せて確認するなどして、品質面が下がらないように気を配ることが何よりも大切です。



おわりに

リードタイムを短縮することは、顧客満足度の向上や社内の無駄削減を促し、結果的に売上向上にもつながっていきます。
ただし、見落としてはいけない注意点などもあるため、今回の記事を参考にしていただき、社内の生産環境をより良いものにしていただければ幸いです。